筆者はうつ病の休息治療を本格的に始めました.
  それまでのストレスが大きかった事もありましたが,働く事も回復後まで後回しにし,
  完全休暇状態での休息治療に専念できることは,理想的な方針でした.
  ところが,この休息時間の過ごし方...気をつけないといけないことが沢山ありました.
  治療が順調にいっている時に限って,,,つまり,急速な回復状態のときこそ,慎重な治療体制が必要だと痛感した期間でした.

 

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4月 予想外の緊急事態

 4月になり,大学関連とも縁も切れ,ストレスとも無縁の生活に入りました.

 うつ病治療で一番大切なことは,休息投薬治療です.その間,患者は自分で大きな決断をしないことや,焦るようなことはしないことが原則です.

 ところが,この4月には大きな出来事がありました.1つは,家の電話機に光回線を導入して,それまでの電話代の基本料金を1/3にしよう,という計画を推進していました.このことが後で大きな誤算につながりました. まず,電話機の購入と光回線のしくみに関して,機械オンチの父に代わり,大概筆者1人で理解して手続きなどします.

 療養中なのですから,難しいことなど考えず,もっとおとなしくしていれば良かったのです.

 でも,家族に頼りにされれは,どうしても頑張ってしまう...また,電話機の価格やサービス料も安い時期で焦っていました.あまりにもヒートアップしてしまって,1人で全てを抱え込んでしまいました.もっと父母に電話のしくみなど,工事手配など出来ることを分担していれば良かったのですが,当時の筆者にそんな器用なことはできませんでした.

 そして筆者にとって,最も大きな出来事がありました.筆者は大学側にも,親戚にも,「卒業後,派遣社員として働いている」という設定を通しているはずでした...この頃はまだ,あまり家から出ることはできませんでした...そして,いよいよ回線工事が入る前日,,,些細なアクシデントがありました...


 叔母から母に電話があり,筆者が大学院を卒業したのにも関わらず,無職で家にいるということを,ペラペラしゃべっていたのです.その叔母というのが親族の中でもスピーカーのような人で,他の親族にまで筆者自身の現状が暴露されるのは必至と咄嗟に思い,母に話題を代えるよう父とでサインを送りました.


 電話後,パニック発作を起こし,急いでソラナックスを飲みました...
 その日から,『親族に病気がバレる...もう自分なんて消えてしまいたい...』と希死念慮がふつふつと沸いてきたのです...

 何とか電話工事の日を終え,親も筆者の苦労を理解してくれたので,自分たちで電話の使い方を覚える努力をしてくれました...

 「もう,これだけインフラ設備の設定もできれば親だけでもやっていける.自分がいなくても家はやっていけるだろう...親族に私の事がバレるくらいなら,いっそ死んでしまいたい...」


    そんなとき,目の前にぶら下がるガウンの帯紐が目に入りました.

    テレビでやっていた自殺トリックにありました.
    手すり程度の低い位置でも,首に紐を巻き,座り込めば,自重で首が絞まると...
    それを筆者はベランダの手すりで実行しました...


   気がつくと,買い物から帰ってきた父が,私をゆすり起こしているのです.

     「父さんより先に逝っちゃダメだ・・・」を繰り返しながら...


 私が咳き込んでいる間,親がクリニックに電話し,緊急で診てくれることになりました.親子3人で向かう間,筆者は随分と放心状態にありました...クリニックについてしばらくして,先生にだけは,自分から今までの出来事をスラスラと説明しました...親も色々説明していたように覚えています.

 そして,先生からメジャー・トランキライザーのヒルナミン(レボトミン)を薦められました.これは脳内を眠らせて思考力を休めて,希死念慮など余計なことを考えないようにする,お薬だそうです. それから万が一,夜間や休日などにまた同じような状態になったとき深夜でも救急で診てくれる,精神科専門の救急病院の連絡先を教えてもらいました.とにかく,ヒルナミンで様子を見て,また来週に電話で経過状況を教えてください,と先生から言われました.

 こうして,筆者の治療薬に,ヒルナミンが入るようになりました.また,3月までに100mg/日に増量していた抗うつ薬のトレドミンの効果を高めるために,抗うつ薬(気分安定薬)のリーマスを導入し始めました.

 <治療費と薬代6日分(1割負担)> (臨時問診時)
 治療費  500円 / 薬代   140円    ・ヒルナミン5mg  6錠/日
 <治療費と薬代 14日分(1割負担)>(臨時から5日後の予約日)
  治療費  140円 / 薬代    730円
  ・トレドミン25mg  4錠/日 ・ハルシオン0.25mg 1錠/日 ・メイラックス2mg 1錠/日 ・プルゼニド12mg  1錠/日 
  ・ヒルナミン5mg 4錠/日  ・リーマス200mg 2錠/日  



 緊急通院の帰り,家族で本屋へ行きました.以前,気になって立ち読みした本を買うことにしたんです.
 家族・支援者のための うつ・自殺予防マニュアル・・・今回のことで,両親は真剣にうつ病の怖さを知ったそうです.



5月6月 ブログと散歩でリハビリ開始

 4月にとんでもないことをしてしまいましたが,その後の筆者は,大きなパニック発作も無く,安穏とした毎日を過ごすようになりました.また,SNRIのトレドミンの効果を高めるために導入した,抗うつ薬のリーマスが600mg/日まで増えたことで,徐々に読書やTV,新聞などの時事情報などにも関心が行くようになりました.

 先生から,何か趣味などやりたいと,意欲が湧いたら積極的にやってみるといいよ, と言われていたこともあり,筆者は昔やっていた,サイト(HP)を作ろうかと思いました.自分の病気,うつ病に関して,またうつ病にまつわる今後の医療や社会の情報を集めて,公開するという構想を練りだしました.

 ただ,デザイン性を高めるため,無料広告が入らないようなサイトを運営するには資本がかかります.
 そんなときに本屋で 稼ぐアフィリエイターはブログが違う! を読んで,無料ブログを始めました.これならばデザインも色々選べますし,無職の自分でもアフィリエイトで若干の収入も見込める...徐々にブログの面白さにはまっていきました(^ω^)

 ブログを通して自分の過去を省み,参考書やパンフレットなどでうつ病について調べ,ネット上で記録する.これだけでも自分の心の整理が随分とされました.治療や医療にまつわる書籍を読み,自分の病態がどういった状況にあるのか,客観的に見つめることを始めました.

 また情報や筆者の考えを公開することで,多くの同じ病の人とコミュニケーションをとる機会も増えてきました.ネットコミュニケーションをすることで,他にも同じうつ病の悩みを持っている人がいることを知り,また同じ立場の人へのアドバイスが,そのまま自分にも当てはまるのだと気づきました.自分に対しても励ましの言葉を書けながら,多くの人と接するように心がけました.

 さらに,ブログに載せるために写真を撮りたいと思うようになり,体調の良い日は,父と共に散歩に行き,携帯の写真で草花や季節の風景をおさめました...こうして徐々に外の世界へも足を踏み出せるようにもなって,症状は緩やかですが回復傾向にあることが身を持って判っていました...

 ただ,散歩などの外出や家族と積極的にコミュニケーションをとった日は,頭を使いすぎているのか頭痛がしました.それと,まだご近所さんへの対応などには,心苦しい気持ちもあって,積極的にはなれませんでしたし,買い物など人の集まるところへは足を運べませんでした.

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 梅雨に入り,ガクンと筆者の体調が悪くなりました.前線や雨が近づいてくると,大概は起きれない状態になりました.また,些細な言葉にセンシティブになり,急な落ち込み状態に陥りました.酷い抑うつ状態パニック発作はなくなりましたが,気分の低迷は顕著なものでした.

 例えば,トラウマにまつわるキーワードに弱いこと...大学院のある地域の名前や,卒業アルバムの購入のことなどを,父から切り出された時,筆者は父の話をさえぎり,またしばらく部屋のベッドに引き篭もり状態になりました.ただ,落ち込みが酷い,という感じでしたし,数日経てば,自分で復帰できる状態のときも有りました.

 それと,また件の叔母から電話があったのです.祖母が高齢なので,夏に法事に行かないかというお誘いでした.ですが,筆者の病気の事もありましたし,親戚に顔を出せば,必ず進退問題を話題にされてしまいます...父も夏に家族で出かけるのは,筆者の心身が持たないだろうと判断して,丁重にお断りしました.その頃から,筆者はアルバイトのことを焦りだしました.せめてバイト位していれば,実際働いているわけですから,親戚間でも何かしら話題に絶えないと考えたからです.

 先生には,その頃の筆者の体調の波が天気に左右されることや,感情の起伏も左右されること,うつ症状というか落ち込み症状はあることを説明すると,アルバイトや祖母への面会時期など,まだ焦りすぎだと判断されました...逆に,先生から「焦りすぎ」と言ってもらえると,もっとゆったり休息モードでいいんだ,と自分にも言い聞かせられるので,ちょっとほっとできました.

 <治療費と薬代 14日分(1割負担)>
  治療費  500円 / 薬代    720円
  ・トレドミン25mg  4錠/日 ・ハルシオン0.25mg 1錠/日 ・メイラックス1mg 1錠/日 
  ・ヒルナミン5mg  2錠/日 ・リーマス200mg 3錠/日

7月・・・嬉しいような厳しいような宣告

 7月になり,梅雨も明け,大分筆者は活動的になりました.散歩にも比較的毎日行けるようになりました.一度,母(母もうつ病以外の心の病なんですが)から一方的な,口論になってしまい,しばらくはドン底まで落ち込み,立ち直れない自分への自責の念に駆られ,引き篭もり状態になりました...この時,ネットで知り合った方から,精神的に「親・家族からの自立」できると,考え方も自分なりの解釈に出来るんじゃないか,と指摘してもらった事もあり,問診日までには何とか自力で復活できるような,思考ができるようになってきたのです.いわゆる,前向き思考ができつつある状態...にまで回復してきた感じです.

 先生にそんなやり取りがあって,気分の山谷は大きいけれど,なんとか乗り切ったと説明したところ,意外な答えが返ってきました...

 「色々あったけれど,随分頭の中で整理できるようになってきたようですね.まぁ,焦らなずにね,アルバイトも始めてもいいころですかね.」

 この言葉を聞いて,内心焦りました!! まだ,そこまで回復している自覚は無かったものですから.
 (ホントですか?? 5日前まででドン底だった人間なんだけどな...でも軽い言い方でも「焦らずに」って言ってたから,直ぐバイトしろって意味ではないのよね...落ち着こう,落ち着こう...)

 アルバイト・リハビリが可能(?)という嬉しいような不安がこみ上げてくるような診断をしていただきました.帰り道,アルバイト雑誌を数冊見ていましたが,リハビリ向きの4〜5時間/日で2〜3日/週というバイトは殆んどありませんでした...

 この日以降,心理状態は不安定でした.緊張感や過去の失敗やらが不安にさせたんでしょう.今日調子が良いからといって,勢い余って決めて,毎日仕事が続かなければ,しょっぱなからクビになってしまう...ネットの知り合いで,医師からバイト可と言われてから,実際バイトまで復帰できたのは半年後だったと聞きました.今はとにかく,焦らない方がいいかもしれない...そんな矢先,大きな事件が待ち受けていたのです...

 <治療費と薬代 14日分(1割負担)>
  治療費  500円 / 薬代    720円
  ・トレドミン25mg  4錠/日 ・ハルシオン0.25mg 1錠/日 ・メイラックス1mg 1錠/日
  ・ヒルナミン5mg  2錠/日 ・リーマス200mg 3錠/日


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