パニック障害は突然,激しい不安に襲われ,動悸・息切れなどの発作を起こす病です.
    パニック発作は,心臓病や呼吸器の病気と間違われやすく,最初は外科や呼吸器科を受診しがちです.
    あらゆる検査結果で異状がない場合,その発作症状はパニック障害の可能性があります.
    パニック発作はうつ病でも見られる症状で,パニック障害を放置してうつ病を併発するケースもあります.

 

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パニック障害

 パニック障害は,突然激しい不安や緊張に見舞われ,激しい動悸・息切れなどが生じ発作状態に陥ります.これをパニック発作と呼び,この発作症状を繰り返し起こすのがパニック障害です.

 あまりの激しい発作で,心臓病や呼吸器の発作かと疑うのですが,検査をしても異常が見つからないのが,パニック障害の特徴です. 心機能や呼吸器検査などを受けても,問題がなければ,精神面で生じるパニック発作の可能性があります.

 パニック発作のメカニズムは,まだよく分かっていませんが,脳内の自律神経が過剰反応をすることによると考えられています.脳内の神経伝達物質のバランスの乱れという点では,うつ病とも似ていますし,筆者もうつ病になる前,治療中に何度かパニック発作を起こしています. パニック障害はうつ病にもつながる疾病だとも考えられていますので,お心当たりのある方は早期治療をお勧めします.

 パニック障害の特徴として,広場恐怖症,閉所恐怖症,満員の電車に乗れないなど特徴的な症状があります.これは,また同じ所でパニック発作が起こるのでないかと不安になって,同じような場所へ行けなくなってしまう症状です.

 きちんと治療し,対応策をとれば,パニック障害は治ります.心療内科や精神科などの専門医に相談しましょう.




パニック障害の治療法と対処法
  ◆パニック障害はうつ病のように,抗うつ薬や抗不安薬の併用で投薬治療が確立されています.
  ◆ストレスを溜めすぎるとパニック発作を起こしやすいので,自分なりの気分転換法を取り入れましょう.
  ◆外出の際には,発作時の頓服やペットボトルで水を持ち歩くなど,万全の対策をしましょう.


 パニック障害は「不安」「緊張」がストレスとなって生じる疾病です. ご自分の病気についてよく知り,積極的に治療に取り組みましょう.またパニック発作は辛いものですが,決して死ぬようなことはありません.発作を恐れないことも大切です.また,パニック発作時は,じっと発作がおさまるのを待ちましょう.数分で治まります.必要以上に恐れ慌てないことが先決です.

 なお,どの病気の治療でもいえますが,医師の指示をしっかり守り,独断で治療を中断したりしないようにしましょう.



不安もパニックも、さようなら 不安障害の認知行動療法



「いやな気分よ、さようなら」の著者,バーンズ博士がわかりやすく教える不安に負けない認知行動療法.
パニック発作,対人恐怖(社交不安),恐怖症,PTSD,強迫性障害など,さまざまな不安障害を,薬を飲むことなく,効果的に治療する認知行動療法を紹介
第1部 基礎
 (我思うゆえに我恐れる 不安?それとも憂うつ? ほか)
第2部 認知モデル
 (自虐的信念の覆いをとる 自虐的信念を修正するには? ほか)
第3部 曝露モデル 
 (古典的曝露―チベットの死者の書から 認知的曝露―心の中の怪物 ほか)
第4部 隠された感情モデル
 (隠された感情技法―問題をカーペットの下に隠す)
第5部 効果的技法の選択
 (回復のサークル―できるだけ早く失敗すること すべてを総合する―鼻に傷もつ女性 ほか)



敏感すぎるあなたへ





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第5章 困ったときの即効テクニック
第6章 不安にさよならする日