心身症とは『心の病』と思われがちですが,これは少々誤りです.
    心身症は,心のストレスに対する過剰反応が,『体の病』を引き起こしてしまうものです.
    
    

 

TOP > うつ病につながる疾患 > 心身症

心身症

 心身症とは心の病と思われがちですが,これは誤りです.心身症は,心のストレスに対する過剰反応が,「体の病気」を引き起こしてしまうものです.より専門的に定義すると,心身症とは,身体疾患が確定しストレスによって症状が増悪し,確立されている身体疾患を対象とするそうです.また,似た病名である神経症は,ストレスの影響が心に現れる病気です. (身体表現性障害は比較的新しい用語で,以前は心身症と呼ばれていました.現在はどちらの疾患も別疾患として扱われています)


心身症として起こる病気とは>
 ◆胃・十二指腸潰瘍,過敏性腸症候群などの消化器系の病気.
 ◆狭心症や心筋梗塞といった循環器系の病気.
 ◆アトピー性皮膚炎や円形脱毛症といった皮膚の病気.
 ◆緊張性頭痛や神経性食欲不振症(拒食症).
  などなど,発症する病気は多岐にわたります.


 また,気をつけなければならないのが,心身症として起こる生活習慣病患者が多いことです. 偏った食生活や運動不足など,生活習慣の乱れは,本人が自覚していないだけで,心の問題がからんでいることが少なくないのです. さらに,精神的ストレスやそれによる生活習慣の乱れが,ガンを促進することもよく言われます.



心身症の原因となる心の問題◇
 心身症を引き起こすストレスには,「欲求不満」と「心理的葛藤」が関係しています.

  ◆現実心身症:家族を失うなどして,心に強い負担がかかり,体の病気が出る場合.
  ◆性格心身症:完璧主義の人が,何事にも手抜きせずにいて,心的ストレスが溜まり発症する場合.


 このように心身症は「体の病気」として表れるので,主に内科・皮膚科などで治療される場合が多いと思います.ただし,治療の際に「体の病気」だけでなく,「心身症」として原因であるストレスについても医師に対応してもらうのがベスト.心の問題を解決するために,抗不安薬や抗うつ薬など薬物治療を用いたり,心理テストやカウンセリングを行います.患者側の心理的葛藤を取り除くため,認知療法を取り入れたりもするそうです.体の不調があれば,まずは信頼できるお医者さんへ.


心身症の子どもたちストレスからくる「からだの病気」



心の病?それとも体の病?
特に子供世代の方が,心身症(体に疾患が出る)ことを心配しなければならないようです.
第1章 子どもの心身症とは?
 (大人の心身症の定義 子どもの心身症の定義 ほか) 第2章 小児期の代表的な心身症
 (反復性腹痛 心因性頻尿、遺尿症(尿失禁、夜尿症) ほか)
第3章 起立性調節障害
 (起立性調節障害ってどんな病気? 起立性調節障害のメカニズム ほか)
第4章 神経性無食欲症
 (摂食障害とは 神経性無食欲症の臨床症状 ほか)
第5章 乳児期や幼児期にみられる、心身症に近いケース
 (乳児期 幼児期前期 ほか)